FAS133

【ポートフォリオヘッジ(包括ヘッジ)】

FAS133は、同種資産のポートフォリオ、同種負債のポートフォリオ、同種の確定契約、及び予定取引のグループについて、ポートフォリオとしてヘッジ対象とすることを認めています。その場合、ポートフォリオを構成する個々の資産、負債、確定契約及び予定取引("個別アイテム"と呼ぶこととします)はポートフォリオの中の他の個別アイテムと同種のリスクを有している必要があります。ポートフォリオヘッジには公正価値ポートフォリオヘッジと予定取引のキャッシュフローヘッジがあります。

【公正価値ポートフォリオヘッジ】

ヘッジされているリスクによる個々の資産・負債・確定契約の公正価値変動は、当該リスクによるポートフォリオ全体の公正価値変動と比例関係にある必要があります(従って、例えば保有する特定株式銘柄をS&P株価指数先物でヘッジすることは認められない)。この点で、FAS133は例として、ポートフォリオ全体が10%変動した場合、個別アイテムは9%〜11%の変動にあればポートフォリオヘッジとして妥当であるとしております。このあたりは極めて厳格に適用される必要があり、FAS113では個別アイテムの変動が7%〜13%の場合は不適切であるとしています。(従って、その中間(8%〜12%)はグレーな領域となっている)

【予定取引のキャッシュフローポートフォリオヘッジ】

予定取引についてのキャッシュフローポートフォリオヘッジについては資産・負債の公正価値ヘッジに比べてだいぶ要件が緩やかになっております。予定取引の場合は、個々の予定取引が同種のリスクを有している必要がある点は公正価値ヘッジの場合と同様ですが、その変動の態様が公正価値ヘッジほど厳格に比例関係を求められておりません。