米国会社設立−会社の機関









株主と株主総会 (Shareholders' Meeting)

株主は会社の所有者ですが、株主の地位で直接会社を経営するわけではありません(もちろん株主兼取締役といった場合には直接経営にたずさわることになりますが…)。株主は株主総会で議決権を行使することで間接的に会社の運営に関与します。これは一般に「所有と経営の分離」と呼ばれます。株主総会では次のような事項を決議します。

  1. 取締役の選出
  2. 基本定款(Certificate of Incorporation)の改訂
  3. 組織上の変更、例えば合併・営業譲渡などの承認
取締役(Director)と取締役会(Board of Directors)

株主総会で選出された取締役が会社の経営を行いますが、取締役個人が経営を行うわけではありません。取締役は取締役会の構成員として議決権を行使することで会社の経営を行います。取締役会は会社の日々の業務を直接遂行するわけではなく、重要な事項について意思決定を行う機関です。取締役会で決議するような次のような事項です。

  1. 役員(Officers)の任命・罷免
  2. 付属定款(By-Law)の改訂(ただしこれは株主総会の議決によって破棄することができます)
  3. 会社の政策(Policy)立案
  4. 重要な契約の交渉状況のモニター
  5. 株主への配当の決定
  6. 会社の資金調達に関する意思決定
  7. 借入の意思決定
  8. 社債発行の決定
  9. 主要な会社の資産の購入あるいは売却
  10. 第三者に対する訴訟遂行に関する意思決定
役員 (Officer)

取締役会によって任命された役員が直接会社業務の運営を行います。役員とは例えば、社長、CEO、CFO等の役職者を指します。役員は取締役会の決議事項以外の意思決定や日々の業務を遂行します。

会社というものは人格を与えられた独立した存在ですが、それは擬制された存在でしかなく、実際に会社の活動を行うのは人間(自然人)です。ここでは、それぞれの機関(人あるいは人の集まり)の役割及び権限を簡単にまとめています。主要な会社の機関としては、株主総会、取締役会及び役員があります。