日米租税条約 - 恒久的施設
恒久的施設の意義
ある一方の国の居住者の事業所得は、他方の国からは、その他方の国内に「恒久的施設」を有しない限り、課税を受けません。逆に、その他方の国の国内に「恒久的施設」がある場合は、他方の国から課税を受けます。
例えば、ある日本の会社が米国に「恒久的施設」をもっているかどうかで次のように米国からの課税が異なってくるということです。
日本の会社の事業所得 |
米国からの
課税 |
米国に恒久的施設がある場合 |
課税される |
米国に恒久的施設がない場合 |
課税されない |
恒久的施設の定義
恒久的施設とは、「事業を行う一定の場所であって、それを通じて産業上又は商業上の活動を行っているもの」と定義され、以下のようなものを含みます。
(1) |
支店 |
(2) |
事務所 |
(3) |
工場 |
(4) |
作業所 |
(5) |
倉庫 |
ただし、上記の施設であっても、次の目的のためにのみ使用する場合は、税務上の恒久的施設とはなりません。
(1) |
物品・商品の保管、展示又は引渡しのため施設を使用すること |
(2) |
物品・商品の在庫を保管、展示又は引渡しのため保有すること |
(3) |
物品・商品の在庫を他の者による加工のため保有すること |
(4) |
物品・商品を購入したり、情報を収集すること |
(5) |
広告、情報の提供、科学的調査その他これらに類する準備的もしくは補助的な性質の活動を行うこと |
恒久的施設とならない例示
例示 |
恒久的施設とされない理由 |
本格的に米国に進出するに先立ち、市場の情報収集を行うための日本法人の米国駐在員事務所 |
単に市場調査を行う活動に限定されているため、恒久的施設とはならない。 |
自社のために、米国内で商品の仕入れを行う米国内の購買事務所 |
商品購入のみを行うため、恒久的施設とならない。 |
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