金融商品に係る会計基準

第六 複合金融商品

一 払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品の会計処理

 契約の一方の当事者の払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品である新株引受権付社債及び転換社債の発行又は取得については、それぞれ次のように処理します。(注1)

 新株引受権付社債の会計処理

実務指針185-2 新株予約権及び新株予約権付社債の会計処理

発行者側の会計処理

 新株引受権付社債の発行価額は、社債の対価部分と新株引受権の対価部分とに区分します。

 社債の対価部分は、普通社債の発行に準じて処理します。

 新株引受権の対価部分は負債の部に計上し、権利が行使されたときは資本準備金に振り替え、権利が行使されずに権利行使期限が到来したときは利益として処理します。(注 15)

実務指針186 発行体における新株引受権付社債の新株引受権の区分処理

取得者側の会計処理

 新株引受権付社債の取得価額は、社債の対価部分と新株引受権の対価部分とに区分します。

 社債の対価部分は、普通社債の取得に準じて処理します。

 新株引受権の対価部分は、新株引受権として資産に計上し、権利を行使したときは株式に振り替え、権利を行使せずに権利行使期限が到来したときは損失として処理します。(注 15)

転換社債の会計処理

発行者側の会計処理

 転換社債の発行価額は、社債の対価部分と株式転換権の対価部分とに区分せず普通社債の発行に準じて処理する又は新株引受権付社債に準じて処理します。

実務指針187 発行体における転換社債の株式転換権の区分処理

取得者側の会計処理

 転換社債の取得価額は、社債の対価部分と株式転換権の対価部分とに区分せず普通社債の取得に準じて処理し、権利を行使したときは株式に振り替えます。

二 その他の複合金融商品の会計処理

 契約の一方の当事者の払込資本を増加させる可能性のある部分を含まない複合金融商品は、原則として、それを構成する個々の金融資産又は金融負債とに区分せず一体として処理します。(注1)

実務指針188&199 組込デリバティブの区分処理
実務指針192 損益を調整する複合金融商品
実務指針194 組込デリバティブを区別して測定することができない場合の会計処理