金融商品会計実務指針

割引現在価値による方法

類似する取引に気配値のないデリバティブ取引については、将来キャッシュ・フローを見積もり、それを適切な市場利子率で割り引くことにより現在価値を算定する。

将来キャッシュ・フローの見積りは、一般に、契約上の諸条件を将来の各期間に展開し、信用リスク等のリスクを加味することによって行う。一方、適切な市場利子率は、一般に、短期の利子率については先物市場の相場又は銀行間短期資金貸借の気配値を参考にし、また、長期の利子率については金利スワップの気配値等を参考にして各将来時点の市場利子率を算定し、各将来時点を補間することによりイールドカーブを描いて見積もる。

なお、信用リスク等のリスクを将来キャッシュ・フローに反映させることができる場合には、市場利子率はリスク・フリーに近いものを使用する。他方、リスクを将来キャッシュ・フローに反映させることが実務的に困難な場合には、市場利子率をリスク要因で補正する。