金融商品会計実務指針#110

貸倒実績率法

金融商品会計基準(第四.二.1)では、一般債権について、債権全体又は同種・同類の債権ごとに、債権の状況に応じて求めた過去の貸倒実績率等合理的な基準により貸倒見積高を算定することとしている(以下「貸倒実績率法」という。)。

債権を同種・同類の債権に区分する場合、同種とは売掛金・受取手形・貸付金・未収金等の別における同一のものをいい、また、同類とは同種よりもより大きな区分、すなわち、営業債権と営業外債権の別における同一のもののほか、短期と長期の期間別区分をいう。

債権の状況に応じて求めた過去の貸倒実績率とは、一般債権においても個々の債権が有する信用リスクの程度には差があるため、与信管理目的で債務者の財政状態・経営成績等に基づいて債権の信用リスクのランク付け(内部格付)が行われている場合に、当該信用リスクのランクごとに区分して過去の実績から算出した貸倒実績率をいう。

貸倒実績率は、ある期における債権残高を分母とし、翌期以降における貸倒損失額を分子として算定するが、貸倒損失の過去のデータから貸倒実績率を算定する期間(以下「算定期間」という。)は、一般には、債権の平均回収期間が妥当である。ただし、当該期間が1年を下回る場合には、1年とする。なお、当期末に保有する債権について適用する貸倒実績率を算定するに当たっては、当期を最終年度とする算定期間を含むそれ以前の2〜3算定期間に係る貸倒実績率の平均値による。