金融商品会計実務指針#46

実質的ディフィーザンスとデット・アサンプション

信託を含む第三者への支払(信託への支払は、実質的ディフィーザンスと呼ばれる。)は、法的免責がなければ、債務者にとって債権者からの第一次的債務の免責はなく、金融負債の消滅に該当しない。デット・アサンプションは実質的ディフィーザンスの一種であるが、経過措置として一定の要件を満たしたものについて当分の間社債の消滅の認識が認められている。

デット・アサンプションに係る原債務の消滅の認識要件は、取消不能で、かつ社債の元利金の支払に充てることを目的とした他益信託等を設定し、当該元利金が保全される高い信用格付けの金融資産(例えば、償還日がおおむね同一の国債又は優良格付けの公社債)を拠出することである。

この場合、社債の発行体又はデット・アサンプションの受託機関に倒産の事実が発生しても、当該発行体の当該社債権者以外の債権者等が、信託した金融資産に対していかなる権利も有しないことが必要である。

なお、金融商品会計意見書の実施時期等(2.(1).A)における「信託契約等」の「信託」とは我が国の信託法に基づいた信託で、「等」とは海外の信託で我が国の信託法に基づく信託と同等のものをいい、信託財産が委託者及び受託者の倒産から隔離され分離保全されているものをいう。