金融商品会計実務指針

売買目的有価証券の定義

金融商品会計基準(第三.二.1)でいう「時価の変動により利益を得ることを目的として保有する」とは、短期間の価格変動により利益を得ることを目的として保有することをいい、通常は同一銘柄に対して相当程度の反復的な購入と売却が行われるものをいう。したがって、売買目的有価証券とは、いわゆるトレーディング目的の有価証券を指す。一般に、企業が保有する有価証券を売買目的有価証券として分類するためには、有価証券の売買を業としていることが定款の上から明らかであり、かつ、トレーディング業務を日常的に遂行し得る人材から構成された独立の専門部署(関係会社や信託を含む。)によって売買目的有価証券が保管・運用されていることが望ましい。

上記の要件を満たす売買目的有価証券の典型的な例としては、金融機関の特定取引勘定に属する有価証券、運用を目的とする金銭の信託財産構成物である有価証券(第97項参照)が挙げられる。

しかしながら、定款上の記載や明確な独立部署をもたなくても、有価証券の売買を頻繁に繰り返している場合には、当該有価証券は売買目的有価証券に該当する。