米国連邦税−外国法人への課税










内国法人と外国法人
内国法人 連邦法あるいは州法により設立された会社
外国法人 内国法人以外の会社
外国法人に対する課税方法・課税対象

簡単に言えば、外国法人(例えば日本法人)は米国国内を源泉とする所得(国内源泉所得)に対してのみ課税を受けます。ただし、米国国内で事業を行っているかどうか、及び国内で事業を行っている場合は当該所得が米国事業に実質的に関連性を有するかどうかで課税の方法が異なってきます。これをまとめると以下のようになります。

米国国内で事業を行っている会社 米国事業に実質的関連性を有する国内源泉所得 総合課税される。具体的にはフォーム1120-Fで税務申告を行う。
米国事業に実質的関連性を有しない国内源泉所得 30%の源泉税が徴収される。→源泉税
米国国内で事業を行っていない会社 国内源泉所得 30%の源泉税が徴収される。源泉税

米国事業に実質的関連性を有するかどうかの判断は、所得を生み出した資産が米国事業に供されているか、または米国事業が所得を生み出すための重要な要因となっているかという点で判断します。

日米租税条約での修正

日米租税条約では、米国内の恒久的施設(PE)を通じて事業を行わない限り、日本法人はその事業所得に対して米国から課税を受けることはない旨が確認されています(もちろん課税される場合も国内源泉所得に限定されます)。従って、まず日本法人が米国内に恒久的施設(PE)を有しているかどうか検討することになります。恒久的施設がなければ日本法人の事業所得は米国から課税されません。例をあげれば駐在員事務所は恒久的施設に該当しないためその米国内での活動は連邦の対象とはなりません。

また、日米租税条約によると、事業所得以外で米国内源泉税の対象となる所得についても源泉税率が軽減されることになります。例えば、利子所得については原則30%のところが10%の源泉ですみます。

参考までに米国における外国法人に対する課税をまとめておきます。原則として、外国法人は米国国内源泉所得のみ連邦税の課税を受けます。外国法人が日本法人の場合は日米租税条約の適用を受けるため、恒久的施設(PE)が米国内にあるのかどうかが重要です。