金融商品会計実務指針#168

外貨建金銭債権債務及び外貨建有価証券に対するヘッジ −@の追加解説

原則的処理である前項@による場合、ヘッジ手段とヘッジ対象にそれぞれ通常の会計処理を適用することにより、ヘッジ取引の効果が自動的に損益計算書に反映される。すなわち、ヘッジ手段である為替予約等を金融商品会計基準に従って時価評価し、ヘッジ対象である外貨建金銭債権債務又は外貨建有価証券を改訂外貨基準の原則に従い決算日レートで換算することにより、損益の計上時期が一致する。したがって、この処理を採用する場合にはヘッジ会計の対象外であり、ヘッジ会計の要件を満たすか否かの判定は要しない。

ただし、ヘッジ対象が外貨建のその他有価証券である場合に、為替換算差損益を資本の部に直接計上しているときは、そのままでは損益計算書におけるヘッジ手段とヘッジ対象から生ずる損益又は評価差額の損益計算書への計上時期が一致しないため、ヘッジ会計が必要となる。この場合には、その他有価証券のヘッジに関する指針(第166項参照)を適用する。また、在外子会社等に対する持分への投資をヘッジ対象とする為替リスクのヘッジ手段に係る損益又は評価差額については、個別財務諸表上は資産又は負債として繰り延べる。これらについては、ヘッジ手段として、デリバティブ以外に外貨建金銭債務を指定することもできる(第165項参照)。