米国法人設立における国際税務

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外国人・外国法人に対する源泉税


米国源泉の所得(米国事業に関連するものは除く)を非居住者の外国人あるいは外国法人に支払う場合、支払者は源泉税を差し引かなければなりません。外国人・外国法人に対する源泉税をまとめました。


そもそも源泉税とは何か?

通常所得税は、所得の受領者が税務申告をしたうえで納税します。これに対して源泉税は、所得の支払者が支払時に税額を控除した上で納税します(源泉税も所得税には違いありませんがその徴収方法から源泉税といっています)。つまり所得の受領者は所得を受け取った時点ですでに税金が差し引れているというわけです。

例えば、AさんとBさんがそれぞれCさんに対して貸付を行っており、Cさんから100の利子を受け取るとします。このときもし、Aさんは源泉課税の対象であり、Bさんは対象でなかったとすると受取額及び納税者は以下の通りとなります(源泉税率は30%とします)。

受取額 所得税の納税者・方法
Aさんに対する利子 70 支払者であるCさんが支払時に差し引いた30を納税する
Bさんに対する利子 100 受取者であるBさんが所得税申告時に100を所得に加算し税金を算出したうえで納税する

米国連邦税上、源泉税の対象となる所得が非居住者の外国人もしくは外国法人に支払う場合、30%の源泉税が課せられます。

源泉税の対象となる所得

源泉税の対象となる所得は米国源泉の所得のうち、米国国内で行っている事業に実質的な関連を有するもの以外、です。従って、米国国内で事業を行っていない場合は、すべての米国国内源泉所得が源泉税の対象となります。わかりにくいので、ある外国人の所得を分類し米国での課税関係をまとめると以下のようになります。(関連:国内源泉税とは?)

所得の種別 例示 課税の有無
米国外源泉の所得 日本での事業所得 まったく課税されない
米国内源泉の所得 米国事業に実質的な関連を有する所得 米国内での事業所得、米国事業に実質的な関連を有する利子、配当、賃貸料、ロイヤルティ等 源泉税を受けず、申告書提出し所得税納付
米国事業に実質的な関連を有さない所得(米国内で事業を行っていない場合は全てこちら) 米国事業に実質的な関連を有さない利子、配当、賃貸料、ロイヤルティ等 源泉税を受ける
源泉税の対象となる個人

源泉課税を受けるのは、非居住者である外国人でです。個人のステータスを税務上の観点から分類すると以下のようになります。

米国市民(米国市民権を有している人) 源泉課税を受けない
外国人(米国市民権を有しない人) 居住者
非居住者 源泉課税を受ける

次に、ある外国人が居住者・非居住者いずれに分類されるかをまとめると以下のようになります。

外国人 グリーンカード保有者 居住者
グリーンカード保有者以外 @当年において31日以上米国に滞在しており、かつ
A過去3年において合計183日以上滞在している人(ただし前年度の日数は1/3を前々年度の日数は1/6を乗ずる)
居住者
上記以外の人 非居住者

なお、F、J、M、Qのビザで米国に滞在している人は、滞在日数にかかわらず常に非居住者扱いとなります。

源泉税の対象となる法人

源泉課税を受けるのは、外国法人です。内国法人と外国法人の区別は次の通りです。

内国法人 連邦法あるいは州法により設立された会社
外国法人 内国法人以外の会社



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