金融商品に係る会計基準

第四 貸倒見積高の算定

一 債権の区分

貸倒見積高の算定にあたっては、債務者の財政状態及び経営成績等に応じて、債権を次のように区分します。

一般債権

経営状態に重大な問題が生じていない債務者に対する債権
    →実務指針109一般債権の定義

貸倒懸念債権

経営破綻の状態には至っていないが、債務の弁済に重大な問題が生じているか又は生じる可能性の高い債務者に対する債権

破産更生債権等

経営破綻又は実質的に経営破綻に陥っている債務者に対する債権

実務指針106 債権区分の原則法
実務指針107 債権区分の簡便法
実務指針108 関係会社債権の区分

 二 貸倒見積高の算定方法

債権の貸倒見積高は、その区分に応じてそれぞれ次の方法によります。(注9)

一般債権

債権全体又は同種・同類の債権ごとに、債権の状況に応じて求めた過去の貸倒実績率等合理的な基準により貸倒見積高を算定します。
   →実務指針110貸倒実績率法 
     実務指針111その他の方法

貸倒懸念債権

債権の状況に応じて、次のいずれかの方法により貸倒見積高を算定します。ただし、同一の債権については、債務者の財政状態及び経営成績の状況等が変化しない限り、同一の方法を継続して適用します。

(1)債権額から担保の処分見込額及び保証による回収見込額を減額し、その残額について債務者の財政状態及び経営成績を考慮して貸倒見積高を算定する方法 (財務内容評価法) →実務指針114財務内容評価法

(2)債権の元本の回収及び利息の受取りに係るキャッシュ・フローを合理的に見積もることができる債権については、債権の元本及び利息について元本の回収及び利息の受取りが見込まれるときから当期末までの期間にわたり当初の約定利子率で割り引いた金額の総額と債権の帳簿価額との差額を貸倒見積高とする方法(キャッシュ・フロー見積法)
     →実務指針115キャッシュ・フロー見積法

破産更生債権等

債権額から担保の処分見込額及び保証による回収見込額を減額し、その残額を貸倒見積高とします(財務内容評価法)。(注10 
 →実務指針117財務内容評価法

実務指針118 劣後債権等の貸倒見積高の算定
実務指針122 貸倒見積高の引当方法
実務指針123 直接減額による取崩し
実務指針124 直接減額後の回収
実務指針125 繰入額と取崩額の相殺表示